大阪と東京では会話のルールが違う

大阪と東京では会話のルールが違う 東京に住む

東京で「大阪人同士が話していると漫才をしているみたい」と言われることがあります。日常会話でそれほどオチやボケ、ツッコミを入れるわけではありませんが、東京に行くと大阪人=面白いという図式が少なからずあります。

テレビのバライティ番組で吉本芸人が幅を利かせている影響が大きいでしょう。日本全国でお笑いの文化があるのは大阪だけなので、特殊な地域だといえます。

私は大阪から東京に来て、身をもって文化の違いを感じました。同じ境遇の人や、周りにいる大阪人の対処方法になればと幸いです。

東京は面白いの基準がやさしい

私は大阪にいるころ「面白い」と言われることはなくても(お互い照れが入るから言わない)、東京では些細なことでも面白いと言われることがあります。お世辞も含まれているかもしれませんが、どうも東京は面白いと感じる基準がやさしいようです。

東京の人もテレビ等で面白いことに反応する感度はあるのですが、日常会話で面白いことを盛り込む習慣がありません。だから些細なことでも面白いと言ってくれるのです。

野球で外国人選手が日本に来てホームランを量産するようなもので、こんなのでよいのかと調子抜けする感覚です。

雑談が好きな大阪人

大阪と東京では根本的な会話の質が違います。

東京は目的ありきの会話が多くて雑談をしない習慣があります。無駄を省いた洗練された会話を好みます。

大阪は人との距離が近いことから、知らない人でも気軽に話しかけてよい文化があります。一見どうでもいい話や雑談が好きです。

私は東京の会社に勤めていたころ部署に約30人いて、その中に関西出身が3人いました。お昼休憩中に雑談をしている上位の3人は、見事にその関西人でした。

この雑談の有無で、根底にある価値観の違いが見えてきます。

東京は自分の成功や成長が喜び
大阪は会話の中に面白いことを見出すのが喜び

地方と都会の違いもあり、一般的に地方は人間関係が近くなり雑談も増えます。大阪は中規模の都会でありながら雑談が多いのは、お笑いの文化があるからだと思います。

普通の会話にオチ・ボケ・ツッコミの選択肢があり、それを織り交ぜることが許されています。自由度が高くて表現の幅が広いから、雑談そのものが楽しいのです。

普通の会話だけのもどかしさ

大阪人同士はよく話しますが、これが大阪人と東京人になるとそうとも限りません。なぜなら会話のルールが異なるからです。

東京は目的のある普通の会話をベースとしています。大阪も基本は同じで80%以上は普通の会話をしています。

それだけでは物足りなさがあり、プラスとしてオチ・ボケ・ツッコミのお笑い要素を盛り込んで、面白さをデコレーションします。普通のとりとめのない会話の中から、笑いを生み出せることに価値を置いているのです。

大阪人が東京の人と話すとき、価値があるハズのお笑い要素を出しても、思うような反応が返ってこないことがあります。

お笑い要素はテレビのバライティ番組の世界であり、実際の会話では慣れていないため反応に困るようです。

そのため大阪人はお笑い要素を封印するか、抑え気味にしないといけないといけません。全力を出し切れず、セーブしながらする会話にもどかしさを感じます。

控えめなボケ・ツッコミはウケがいい

東京でお笑い要素を出すときに心がけるのは、相手の免疫の有無によって受け取り方が変わることです。

ハードでドぎついボケ・ツッコミは、免疫がないため拒否反応を示されます。大阪人同士で面白いと感じても、相手に通じないと意味がありません。

ソフトでやさしく受け取れるくらいが面白いと感じる傾向があります。東京で些細なことでも面白いと言ってくれるのは、このやさしいボケやツッコミだったのです。

相手をいじるのは、人間関係のマナー違反となり基本NGです。高度な技術が必要であり、大阪でも年々減ってきている通りです。

大阪人が東京人と接するときは、ボケ・ツッコミは半分に薄めて出していくことをおすすめします。オチもなくてもよいみたいです。オチにこだわり過ぎると会話を独り占めしてしまう恐れもあります。

お互いの関わり方のまとめ

東京の人と話していると、ささいなことで面白いと言われる楽しさと、内容をセーブするもどかしさが両立します。

大阪の人は、相手の文化に合わせてさじ加減をすると喜ばれます
東京の人は、大阪人を面白いと言っておけば喜んでくれます

大阪と東京の雑談のルールが違うので、そこの誤差は文化の違いなので多めに見てください。お互いの文化を理解して、見えないルールを守りよい関係になることを願います。

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